ヘブソでございます。

今回は、いつもの5cドラゴンではなく、5cドラゴンに次いで使用率の高いクローコントロールの調整具合を紹介します。

そもそも、「クローコントロールとは何ぞや?」と思う人もいるはずでしょうから、そこから書きたいと思います。

クローコントロールとは、オンスロートブロックがスタンダードリーガルの時に作られたデッキです。名前の通り、「コントロールデッキ」です。

今は存在しない「ブロック構築」というフォーマットで主に活躍したデッキであります。

Q.じゃあクローって何?
A.爪です爪。

Q.爪? 誰の? 
A.ドラゴンです。

そう、クローコントロールとはすなわち、ドラゴンコントロールデッキなのです。

オンスロートブロックは強力なドラゴンが多数収録されたブロックでもあります。一番有名なドラゴンとしては「刃の翼ロリックス」でしょうか。

せっかく強いドラゴンがあるのだから、それでデッキを組まない選択肢はないよね?ということから生まれたデッキです。

まあ筆者が組んだのはその12年後なんですけどね。たまたまWiki(http://mtgwiki.com/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB)で見つけて「これめっちゃええやんけ!」ってなって組みました。

まるで遺跡を発掘した考古学者です。


現状のデッキレシピは以下の通り。

クリーチャー 14

アイレンクラッグの紅蓮術師 2
通りの悪霊 4
賛美されし天使 2
永遠のドラゴン 4
皇帝ヘルカイト 1
窯口のドラゴン 1

その他スペル 20

稲妻の裂け目 4
俗物の放棄 2
アクローマの祝福 2
霊体の地滑り 2
霊体の横滑り 4
とっぴな研究 2
排斥 4

土地 26

平地 8
山 5
灰のやせ地 4
隔離されたステップ 4
忘れられた洞窟 4
ヘリオッドの高潔の聖堂 1

サイドボード 15

石角の高官 1
憤怒の天使アクローマ 1
耳の痛い静寂 2
紅蓮破 1
赤霊破 1
発展の対価 4
光輝王の昇天 1
俗物の放棄 1
神聖の力線 2
破滅 1

「あれ?この構成どこかで見たことあるな...」と思った人は結構すごい。

そう、このデッキ、アストログライドの派生なんです。

アストログライドとは何ぞやという方は下記をご参照ください。
https://scionoftheurdragon.diarynote.jp/201907241430276595/ 

動きはアストログライドと変わらず、サイクリングによって霊体の地滑り及び稲妻の裂け目の効果を誘発させて場をコントロールします。

ある程度土地が揃ってきたらドラゴンを投入して殴り勝つという勝ちパターンを追加したのがこのデッキです。

それでは、各カードの紹介に移りましょう。

・アイレンクラッグの紅蓮術師
みんな大好きデブ霊夢。赤白という追加ドローとはほぼ無縁な組み合わせですが、サイクリングがあるなら話は別。最近は稲妻の裂け目1発で焼ききれないクリーチャーが数多く登場しているため、3点を放てるこのカードはとても強力です。また、稲妻の裂け目と組み合わせて一気に5点削るなんてことも。

・通りの悪霊
実質ノーコストサイクリング。自分で場に出すことはまずないです。

・賛美されし天使
白い悪魔。W霊体の地滑りでひっくり返して出すのがメインですが、たまに自力で起き上がることも。タフネス5が意外と固い。

・永遠のドラゴン
このデッキにおいてもメインエンジンとなります。長引くと普通に出すこともあります。

・皇帝ヘルカイト
変異クリーチャーその2。6/6飛行。賛美されし天使とうまく使い分けたい。

・窯口のドラゴン
このデッキの隠れたフィニッシャー。永遠のドラゴンと非常に相性が良く、でかいサイズとダメージ能力で勝つことがあります。

・稲妻の裂け目
このデッキのメインフィニッシャー。デスタク相手に張ると面白いくらいに相手生物を焼けます。また、誘発型能力なので止められにくいのもポイントです。青いデッキにとってはマストカウンターもの。複数張っても強いので4枚必須です。

・俗物の放棄
置物除去。レガシーでも置物を使って悪さをするデッキは一定数存在するので投入。腐ってもサイクリングできるのもGood。

・アクローマの祝福
プロテクション付与は使わず、ただ1マナサイクリングできるカードとして採用。なのでこの枠に関してはデジェルの拒絶に替えても大丈夫です。

・霊体の地滑り、霊体の横滑り
このデッキのキーカード。変異クリーチャーをひっくり返したり、除去から回避させたり、相手クリーチャーを疑似除去したりと用途は様々。横滑りのほうが強いことが多いですが、サージカルケアとして散らして投入しています。

・とっぴな研究
エンチャント限定のギャンブルを起動能力に持ちます(インスタントギャンブルはインクの染み)。手札が必然的に多くなるのでサーチしたカードを落としてしまう確率は低いです。ただ、自身と起動コストが重く、複数張っても意味がないので2枚にしています。

・排斥
相手の非土地パーマネント追放。サイクリングコストが1と軽く、とっぴな研究及びヘリオッドの高潔の聖堂のおかげで使いまわしやすい。また、ショーテル対策にもなります。4枚必須です。

・サイクリングランド
1マナサイクリングできる土地。ピピハンされにくく、最悪セットランドしても大丈夫です。それぞれ4枚ずつ必要です。

・灰のやせ地
このデッキの潤滑剤でもあります。基本土地をサーチすることによってマナスクリューを防ぎつつ、キーカードを設置した後はその起動の引き金にできるとコモンの割に結構器用なカード。

・ヘリオッドの高潔の聖堂
打ち消されたり割られたりするキーエンチャントを再利用します。サイド後は独房監禁と組み合わせてハーフロックをかけます。


・石角の高官
相手の戦闘フェイズを飛ばしてしまうサイ。これをW霊体の地滑りでブリンクしまくってフェアデッキを沈黙させます。タフネスが4と意外と固く稲妻1発で焼かれないのも良いですね。

・憤怒の天使アクローマ
打ち消されない能力とプロテクション青と白により、奇跡や石鍛冶相手に睨みを利かせられます。

・耳の痛い静寂
ストーム系デッキ対策。

・紅蓮破、赤霊破
このデッキの苦手とする青対策。

・発展の対価
多色、土地単、ポスト対策。このデッキ、セットするランドはたいてい基本土地なので、一方的に相手に大ダメージを与えます。

・光輝王の昇天
ミラクルや殴ってこないデッキ対策。サイド後の重要なフィニッシャーになります。

・俗物の放棄
追加の置物除去。

・神聖の力線
本体火力、ハンデス対策。ピピハンですら壊滅しかねないデッキなので初手に持っておきたいカードです。

・破滅
発展の対価と同じく基本出ない土地対策。灰からの再興より容赦のないこちらを選択。


有利不利はアストログライドとほぼ共通しており、

・有利
クリーチャーデッキ
置物コンボ

・不利
瞬殺コンボ
墓地利用

となります。

マッチアップで考えると以下の通りです。

・デルバー系
稲妻の裂け目を置いたらほぼ勝ち。有利

・ショーテル系
霊体の地滑りで延々とクリーチャーを追放し続けられるのでそこそこ有利。ただし、早いターンから仕掛けられると少しきつい。

・デス&タックス
稲妻の裂け目を置いたらほぼ勝ち。有利。

・黒緑DD
ハンデスとキルターンの速さで不利。

・バーン
そこそこ有利。賛美されし天使がいると有利。

・土地単
五分五分。マナ結合されたりGracial Chasmを維持されたりするとほぼ詰みですが...。

・ミラクル
五分五分。互いのキーカードをつぶしあう戦いのため、大変不毛。50分で1戦終わるかなくらいには不毛。

・ドレッジ、リアニメイト、ホガークなどの墓地利用系
墓地利用とゾンビ軍団とサイドからの置物除去の投入があるので不利。

・4cレオヴォルド
フェアデッキですが不利。タルモゴイフとレオヴォルドが非常にきつい。

・フードチェイン、アルーレン、ワールドゴージャーなどの無限ループ系
相手次第。動きが遅ければ有利。

・親和
除去カードの多さから有利。

・エルドラージ系
微妙。難題の予言者がとてもつらい。

・12POST
微有利。サイド後は有利。

・ストーム系
不利。耳の痛い静寂を入れても正直止められるとは思えない。

こんな感じですかね。

最近のカードを投入することで強化をすることが可能です。

個人的に試したいカードは以下の通り。

・希望の夜明け
・星原の神秘家
・メレティス誕生
・障害の幻霊
・太陽の宿敵、エルズペス
・神聖な訪問
・アーデンベイル城


・希望の夜明け
ライフを得るたびにドローと4マナで1/1を生み出すエンチャント。ほぼサイド要因ですが、土地を持て余すことの多いこのデッキではトークン生成が地味に強いです。

・星原の神秘家
エンチャントを唱えるコストを1減らし、エンチャントが破壊されるたびに自身に+1/+1カウンターを乗せるクリーチャー。キーエンチャントをいかに早く設置するかがこのデッキの勝敗を左右するので意外と重要。置物破壊されてもパンプアップされたクリーチャーが残るので相手にとっては厄介かもしれません。

・メレティス誕生
テーロス還魂記で登場した英雄譚。平地サーチ、壁生成、ライフゲインとコントロールデッキに欲しい要素を持っています。

・障害の幻霊
忠誠度能力を起動するためにマナを1つ使わせるクリーチャーエンチャント。いかに長く生き延びれるかがポイントなので、少しでも遅らせるカードは重要です。しかも2マナ2/1先制攻撃とサリアと同等のサイズを誇るので序盤の攻めにも使えますね。

・太陽の宿敵、エルズペス
新エルズペス。パンプアップ、トークン生成、ライフゲインとこのデッキの必要とする要素を多く持ち、なおかつ墓地にカードがたまりやすいこのデッキにおいては脱出も容易と相性ピッタリ。

・神聖な訪問
トークン生成カードと組み合わせるなら。多分入らない。

・アーデンベイル城
1/1生成ランド。平地を多く搭載しているのでアンタップインしやすく、打ち消されにくいので決め手としては十分。不毛の大地に注意したいところですね。

その他、サイドプラン用にヘルムコンボや先駆ける者、ナヒリとエムラクールコンビといった別の勝ち筋を搭載するなど検討してもいいかもしれません。

近年の強力なPWの台頭により、カードパワー的にきつさを感じますが、それでもまだまだやれるデッキだと思っています。

ちなみに:当時のブロック構築のクローコントロールはアストログライド型だけでなく、クローサの大牙獣や爆発的植生を使ったランプ型もありました。

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